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【水苔応援隊】が始まります!

更新日:10 時間前


御嶽山 田ノ原湿原に生息する水苔


現在、一般社団法人RootsOntakeは、二本の柱を軸に御嶽山 田ノ原湿原の回復に取り組んでいます。

一本目が土中環境視点をもった有機土木®️工法により登山道を浸透構造を持った道へ改修していくこと。 こちらのブログ参照


二本目が湿原周辺の笹を刈り持ち出す事で水苔を増やすこと。

一般社団法人コモンフォレストジャパン理事の坂田昌子さんの観察、調査を経て湿原の回復には、「水苔を増やすことが大切だ」と言う仮説を立てました。

湿原の調査と笹の刈り方をレクチャーする坂田さん


ここ、御嶽山の田ノ原は、標高2000メートルを超える高地で寒冷地である。そのため有機物の分解が遅くスゲや水苔が土になる前に泥炭と呼ばれるスポンジ構造を持った地質へ変化する。それが池塘と呼ばれる水の溜まった場所になり高層湿原※1を形成していく。

湿原の回復には、この水苔やスゲなどの湿地性の植物が重要になってくると考え水苔をどうやったら増やせるか?を考えました。


何をやっているかと言うと

水苔と笹がせめぎ合っている場所をみつける。

生い茂った笹を刈り取る。

刈り取った笹の根を出来るだけ土の中で切り再度生えてくるまで時間を稼ぐ。

刈り取った笹は、全て池塘の外へ持ち出す。

再度生えてくるまでの時間に水苔が大地を覆い水分を保水すると笹が増え辛くなる。

水苔が増え、池塘の回復へつながる。

作業中の動画

一本一本手作業で切りながら丁寧に出していくので場所にもよりますが1人一日で1〜3平方メートル前後ぐらいしか進みません。


笹の葉は、抗菌作用、遮光性、撥水性が強く折り重なった笹は、寒冷地で分解されないこともあり降り積もり分厚い笹の層となっていました。

笹や笹の堆積層を取った場所に雨の後、水が溜まっていました。

左側のしゃくなげの下に水苔が生育していて、これが来年の春に増える事を期待しています。




今年2024年からはじまり3回、作業に入っています。

少し高く尾根のようになっている所から笹を持ち出した所が少し乾燥気味になる部分もありました。笹とせめぎ合っていた水苔が笹が無くなることで増えた部分もありました。

冬を越しゆっくりと雪が溶けて水が染み込み芽吹きが時期が来た時にまた成果が見えてくるのではないかと話しています。


「笹刈り隊」のような名前にすると笹は、邪魔者、敵としていることになる。笹も土を乾燥させい、崩さないためにそこに他の植物が生えづらい環境だから生える。敵を作るのではなく水苔を応援しよう!とメンバーと話し「水苔応援隊」と名付けました。


この活動は、一年二年で終わるものでは、ありません。

今の所、ほぼ無償のボランティアで活動しております。

ご興味ありましたら作業の参加でも、ご寄付でもお心寄せて頂ければ嬉しいです。


作業日やイベント告知、活動報告などコンタクトからメッセージを頂けるとメルマガが送られます。またLINEグループもありますのでご登録頂けると嬉しいです。

(コンタクトから連絡頂ければこちらから案内お出しします。)


今後とも宜しくお願い致します。


一般社団法人RootsOntake

理事 畠山智明



2023年・2024年と二年にわたり行った登山道改修施工


 

8/31に行われた活動報告のアーカイブ映像申し込みは、こちら↓

【アーカイブ動画】2024年8月31日 | 御嶽山田の原湿原再生と浸透する道・庭づくり


 

《注意》

現在この活動は、王滝村から特別な許可を得て湿原内での行動、刈り方に細心の注意を払い作業をしています。

本来、湿地の中は、とても脆弱な環境で人が踏むことで水苔や泥炭のスポンジ構造が失われ何百年の積み重ねがなくなる可能性があります。ここ御嶽山田ノ原もそうですが各地で独断で作業に入らないようにご注意ください。


※1

植生学でいう湿原は低温・過湿のために枯死したミズゴケが分解されず泥炭となり、水を含んで過湿となった場所をいい、「高層湿原」とは、泥炭が多量に蓄積されて周囲よりも高くなったために地下水では涵養されず、雨水のみで維持されている貧栄養な湿原を指す。 植生はミズゴケ類が主体。

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