春に続き八幡神社の改善を行った今回の活動。
始まりに高田先生からこの土地の良いところ、土地や苔、植物は、繊細なバランスで成り立っている事、歩き方ひとつ、歩く場所ひとつで環境を悪化させてしまう事。
そんな話しから始まりました。 今回の主な講座内容
・歩く場所や細かな足の置き場
・神社内の巨木の根本改善
・雨落ち処理
・小川の環境改善とそれに伴う残土の処理方法
このように講座の場所を点々と広げることで1箇所に人が集まり過ぎないように講座を行いました。
まずは、参加者の人数で土地を痛めないように養生をしました。
板やシートなど引くと逆に歩き方を覚えない。
そのため今回は、「わら」を主な通路に養生として使いました。
わらは、その後残して置いてもその場を潤し土中環境を良くする働きをする。
そしてなんだか見た目がとても美しかったです。
初詣の時によく神社やお寺は、ムシロを引いている様子を見ますよね。
その時と同じような清らかな空氣を感じました。
次に主軸となる環境改善ポイントの小川。
その小川に降りるために足場作りから始まりました。
杭と丸太を使った足場を数箇所設置。
足場を作ることで他の斜面への影響を最小限にし、かつ水が走りやすいポイントを見極めて作ることでその場がより良くなるように設置します。
水が走り過ぎると周辺の泥を小川に流れ込ませてしまし川底の泥詰まりを生みます。
その他にも石や瓦を地面に刺した足場も作りました。
「足場を作ってもなるべく置いた「木」や「石」の上にだけ乗り地面を踏まないようにする(体重をかけないようにする)」これが歩く時のポイントでした。
そして川底に溜まった泥を掻き出す作業。
川底の泥は、川の呼吸を止めてしまう。
そのため外に出すことにしました。
しかし、そこで問題になるのが「残土」の処理。
多くの現代土木では、残土を谷に捨てます。
それは、単に捨てやすいから。
それでは、谷の呼吸を止め周辺環境の悪化を招きます。
そうなってしまっては、環境改善活動の意味がありません。
そこで今回は、持ち出した残土でマウンド状の山を作り周辺を枝を使った柵(しがらみ)で囲った置き場を作りました。
残土を置く前に下場に水が染み込むように縦穴をあけ、炭をまき、枝、藁、落ち葉など有機物をサンドイッチして作っていきます。
このマウンド、なにが凄いかと言うとちゃんと大地と繋がり呼吸する仕組みを組み込んでいるのでここに植栽するとぐんぐん育つ「苗床」となるのです。
残土が苗床になり周辺環境を良くしていく。
谷ではなく少し盛り上がった丘のような所に作るのもポイントです。
別の場所では、巨木の改善も進んでいました。
巨木の根っこ沿いに流れ落ちる水を地下に浸透させるように根っこの谷間に縦穴をあけ、炭を入れ、石を挟みます。その周辺を落ち葉を敷いて最後は、御嶽山のどんぐりから芽吹いたナラの苗木を植栽しました。
この巨木は、周囲をぐるっと車が走るスペースになっていて周りの土は、硬く水の浸透があまりない状態になっていました。
そのため、木の周辺にも縦穴をあけ炭を入れました。
資材を運ぶときも出来るだけバケツリレー方式を使い人が歩く量を減らしました。
これも環境への労り。
改善後の小川
水の流れる音が変わり、美しい波紋が見えてきました。
まだ、泥が流入してくるので来月に様子を見ながら作業していく予定です。
懇談会の様子
疲れた体に御嶽の温泉と美味しい食べ物が染みました!
参加者同士の会話も楽しみの一つ。
たくさんの情報交換と繋がりが生まれました。
今回の参加者は、2日間で約80名。
多くの方々にご参加頂き本当に嬉しいです。
この御嶽山の地で土中環境の視点を学び自然と共に生きていく人たちが増えていったら良いなと考えています。
実は、、、御嶽山再生ツアープロジェクトという名前で活動していましたがこっそり
御嶽山de再生ツアープロジェクトに名前が変わっています。
「de」が入っています。
再生するのは、御嶽山ではなく人間。私たちの心なのだと考えてそうしました。
何が大切で何を守らなければならないのか?
どうして守らなければならないのか?
そのためにどうしたら良いのか?
そんなこれからの生き方が学べる場になっていったら幸いです。
次回の予定は、11/14(日)に少人数での講座、作業を行う予定です。
(今回、高田さんは来ませんのでご注意下さい。)
今後とも御嶽山de再生ツアープロジェクトを宜しくお願い致します。
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